多文化共生について見て・知って・考えて・体験しよう
多文化共生について考える入口は身の回りにたくさんあります。とびらを開けてみませんか?
◎本・資料・映像から考える
外国人は様々な理由や経緯により日本で暮らしています。本・資料、映像からも理解を深めることができます。親しみやすいところでは国際結婚や外国につながる子どもたちを描いたマンガなどもあります。
2階の「映像ライブラリー」には、地球規模の課題、国際理解、国際協力、多文化共生、人権、平和などをテーマにした図書と映像資料があり、誰でも閲覧・視聴できます。県内に在住・在学・在勤の人は図書を借りることができます。ホームページで資料を検索することもできます。また、5階の「映像ホール」ではあーすぷらざのテーマにあった映画の上映会があります。その他にも、外国人が「教育」にかかわる相談ができる窓口、「生活」や「法律」など一般的な相談ができる窓口があります。
◎レストランや食材店にお出かけ
神奈川県内にはいろいろな国・地域の料理を味わうことができるレストランや、食材を購入できるお店がたくさんあります。お店の人やお客さんとの交流も楽しみのひとつ。気に入った料理の作り方などを聞いてみてはいかがでしょう。
◎国際交流イベントにお出かけ
神奈川県内のいろいろな場所で、多文化共生や国際交流がテーマのイベントが開催されるようになりました。音楽・踊り・交流企画・展示・屋台などを見て、聴いて、味わいながら、外国人と交流したり多文化共生について考えたりできるプログラムがたくさんあります。
◎外国人コミュニティの催しにお出かけ
外国人コミュニティの主催で地域に開かれた催しが開催されるようになってきました。知り合った外国人に尋ねたり、レストランでお店の人に尋ねたり、ホームページで調べたり、国際交流のための施設に問い合わせたり、いろいろな方法で情報を見つけ、出かけてみてはいかがでしょうか。
◎講座や学習会にお出かけ
外国人の暮らしについて詳しい人から話を聞いたり、外国人自身から母国や日本での体験談を聞いたりすると理解が深まります。外国人の視点からの日本についての新しい発見も得られるでしょう。
かながわ・こみゅにてぃ・ねっとわーく・さいと
https://www.kifjp.org/kcns/
かながわ国際交流財団が運営している、外国人の暮らしに役立つ情報、支援者に役立つ情報、多文化共生に関する情報、交流に役立つ情報などをまとめたホームページです。本・資料・報告書・イベント・学習会・国際交流関連施設といった幅広い情報をここから手に入れることができます。
誰もがいきいきと心豊かに暮らすために
外国人の中には、様々な場面でサポートが必要な人もいます。どのような課題があるのか知ることを通じて、必要な仕組みや支援について考え、困っている人がいたら情報をぜひ知らせてください。
◎日本語を学ぶ
仕事、子育て、手続きなどいろいろな場面で日本語が必要です。ボランティアなどが中心となり、地域で日本語教室が開催されています。日本語を教えながら日本の文化や習慣について伝えるなど、交流・情報交換・助け合いの場にもなっています。
◎子育てをする・子どもの教育を考える
外国人の保護者が日本の子育てや教育制度について理解を深めるための外国語の情報はまだ少なく、子どもの将来のために適切な進路を考えるのはとても難しいことです。また保護者は、子どもが自分のルーツの文化や母語を学び、母国の家族と話したり、日本と母国の架け橋になったりして欲しいという願いも持っていますが、母語を学べる機会は限られています。
子どもたちの中には、学校でいじめにあい不登校になる子もいます。また、日常のコミュニケーションでは流暢に日本語を話していても、学習で使われる日本語が壁となり、学力が伸びない子どももいます。子どもたちに関わる多くの人が課題を理解し適切な支援をすることが必要です。
◎医療機関に行く
外国人の中には、日本語では症状を思うように説明できない、医師の日本語での説明がわからないと感じる人がいます。日本語を母語としない外国人が医療機関を受診するときのサポートをするため、神奈川県・県内自治体とNPO法人多言語社会リソースかながわ(MICかながわ)が協働して医療通訳を養成、研修、派遣しています。
◎災害などから命を守る
地震がほとんどない地域の出身の外国人は、防災訓練などに参加した経験がなく、防災や減災に関する知識や情報を十分に持っていません。外国人を対象とした防災訓練もありますが、まだ十分ではありません。大災害が起きたとき助け合えるよう普段から相互理解を深めておくことが大切です。また、東日本大震災のときなどは、多くの外国人が被災地でボランティアとして力を発揮しました。
防災や減災に関する情報に加え、交通ルールや防犯といった普段の生活を安心・安全に過ごすための情報も必要です。
◎すまいを探す
外国人がすまい探しに苦労したという話を聞きますが、全体としては民間賃貸住宅に空き家が増える傾向があり、外国人も入居しやすい状況になってきました。しかし、外国人が理解できるように敷金や現状回復等について説明がされていないことが原因で、退去時に問題が起きることがあります。入居時に丁寧に説明してもらうことが大切です。外国人に積極的に賃貸住宅の仲介を行う不動産店「外国人すまいサポート店」や、すまいに関する様々な相談を受け付けるNPO法人かながわ外国人すまいサポートセンターという団体もあります。
◎仕事を探す
経験や語学力を活かし世界を舞台に活躍している人がいる一方で、ほとんど日本語を使わずに外国人同士のつながりの中で働いている人もいます。暮らしの中で日本語を学びながら日本社会とのつながりを深めていないと、再就職が大変困難になってしまいます。また就職した後、雇用契約の内容や職場の規則などを理解するのが難しい場合もあります。日本での働き方、法律の知識、職場体験、面接の受け方、履歴書の書き方、求人票の見方などを学ぶ講座も開催されています。
◎老後の生活を考える
外国人も高齢化が進んでいます。老後を安心して過ごすためには様々な知恵や助け合い、そして制度に関する情報が必要なため、老後の生活に不安を抱いている外国人はとても多いです。
外国人の中には、介護施設等で働き高齢化社会を支えている人もいます。
◎相談をする
外国人が抱える課題はそれぞれが相互に複雑にからみあうことがあります。県内には外国語で相談できる窓口があります。言葉によって曜日や時間が違います。
◎情報を伝える
日本語を母語としない外国人にとって、日本語の情報を入手して生活に役立てることは難しいのが現状です。外国語に翻訳された資料があると助かります。資料を翻訳できないときは、わかりやすい日本語を使えば情報が伝わることも多いです。ただ資料を渡すだけでなく、説明をしながら渡すと気持ちも一緒に伝わります。
多言語情報メール配信サービス「INFO KANAGAWA」(インフォ カナガワ)
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暮らしに役立つ情報を多言語で配信するサービスです。月に2~3回程、配信されます。読者登録は誰でも無料でできます。中国語、ポルトガル語、スペイン語、英語、タガログ語、ベトナム語、ネパール語、日本語で情報が届きます。
ボランティアをはじめよう!
ボランティアとして多文化共生の社会づくりに取り組んでみませんか?
いくつかボランティア活動の例を紹介します。
◎国際交流イベントに参加する
多くの国際交流イベントではボランティア・スタッフを募集しています。ぜひイベントの事務局に問い合わせてみてください。
◎日本語学習や子どもの学習を支える
日本語学習、子どもの学習支援のグループの中には、ボランティアの受入れをしているところがあります。先に紹介した「かながわ日本語学習・学習補習教室・母語教室マップ」で調べることができます。
◎語学力を活かす
外国語ができる人は通訳・翻訳ボランティアに参加して活躍することができます。外国につながる子どもたちの母語学習で活躍している人もいます。
◎寄付をする・会員になる
外国人を支える活動をしているグループに寄付をしたり、会員になって支えたりすることも立派な活動です。寄付をするときには通信欄にメッセージをそえると活動の励みになるでしょう。