かながわでにほんご Study Japanese in Kanagawa

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2022.09.23 オンラインフォーラム開催報告

かながわ地域日本語教育フォーラムを開催しました。
テーマ:居場所としての日本語教室~コロナ禍で途切れた人との交流をつなぎ直す~

神奈川県では、多文化共生をめざし、地域日本語教育の取組を進めています。今回は「居場所としての日本語教室~コロナ禍で途切れた人との交流をつなぎ直す~」と題し、教室運営に関わるスタッフ、ボランティア、学習者などそれぞれの立場からお話を伺い、考えを深めました。

開催概要
日時
令和4(2022)年9月23日(金・祝)14時から16時
開催方法
Zoomによるオンライン開催
参加者数
165名
(神奈川県内外の地域日本語教室ボランティアの方、日本語学校教職員、自治体、国際交流協会、NGO・NPO職員など)
進行
藤分 治紀(公財)かながわ国際交流財団/地域日本語教育総括コーディネーター
プログラム
(1)神奈川県の取組紹介
(2)基調講演
「居場所としての日本語教室」
社会福祉法人さぽうと21学習支援室チーフコーディネーター 矢崎 理恵 氏
(3)トークセッション
〇特定非営利活動法人ふじみの国際交流センター
日本語教室代表 小林 暁美 氏
スタッフ 塚本 秀樹 氏
学習者 グエン チ ホアン コック 氏
〇通訳・翻訳グループ カムオン・シェシェ
代表 林 静 氏
事務局 金子 真澄 氏
スタッフ 稲田 亜希 氏

〇社会福祉法人サポート21学習支援室チーフコーディネーター 矢崎 理恵 氏
プログラム詳細

(1)神奈川県の取組紹介

かながわの地域日本語教育の施策の方向性について説明し、これまでと今年度以降の取組を紹介しました。詳細はこちらをご覧ください。

(2)基調講演

「居場所としての日本語教室」
発表者:社会福祉法人さぽうと21学習支援室チーフコーディネーター 矢崎 理恵 氏 

制度があっても「つなげるヒト」がいなければ制度は活かされない、「つながるヒト」がいなければ、日本語は生活をこなすためだけの道具にしかならず、そのヒトの日々の生活は動いていかない、広がっていかない、ということを学習者のエピソードと共にお話しいただきました。また、さぽうと21では学習者とボランティアの「やりたい」気持ちを尊重し、学習者の運転免許やネイリストの資格取得の勉強に協力したり、料理好きなボランティアが料理教室やカフェを始めたお話などもご紹介いただきました。 さぽうと21の詳細はこちらをご覧ください。

(3)トークセッション

〇「ふじみの国際交流センター日本語教室」
登壇:特定非営利活動法人ふじみの国際交流センター


ふじみの国際交流センター(以下「センター」)の日本語教室についてご紹介いただきました。また、センターでは生活相談、翻訳、同行通訳、国際理解、フードバンクなど多くのセクションがあり、学習者の「困りごと」にこれらのセクションと連携して対応していることなどもお話しいただきました。
ふじみの国際交流センターの詳細はこちらをご覧ください。

〇「親子の『居場所』と外国にルーツのある親子への支援」
登壇:通訳・翻訳グループ カムオン・シェシェ


主な活動メンバーは外国出身のママたちという団体を立ち上げた経緯をご紹介していただきました。代表の林さん、スタッフの稲田さんは地域の日本語教室で日本語を学んだ経験があり、学習者だった頃の想い、そして支援者となった今の気持ちについてもお話しいただきました。 通訳・翻訳グループ カムオン・シェシェの詳細はこちらをご覧ください。

登壇者のみなさんに「居場所」を別の言葉に言い換えるとしたらどのような言葉になるか聞いてみました

〇困ったら気軽に訪ねていけるところ(小林氏)

〇ボランティアにとっても在日外国人の方にとっても憩いの場所(塚本氏)

〇安心の場所。生活の先生(グエン氏)

〇アットホームな感じがするからホームですね、もう一つの家族、実家の感じ(林氏)

〇プラットホームだなと思う。ここに繋がって、ここから他の場所へ繋がる(金子氏)

〇心和む場所(稲田氏)

〇いつもある場所、いつでもいける場所(矢崎氏)

登壇者のみなさんの感想と視聴者の方へのメッセージをいただきました

〇学習者にとっての居場所だけでなく、スタッフやボランティアにとっての居場所でもあるので、両方にとって居心地のいい場所であればいいなと思っています。日本語教室には関わっている人がたくさんいて、スタッフやボランティアさんの協力に感謝しています。(小林氏)

〇社会人生活を終えた後、社会での経験を活かせることができるような活動をしようとセンターの門を叩きました。日本語を教えるという役割をもらっています。日本での生活が順調に進むようさりげなく導いたり、トラブルに向き合ったりするスタッフのみなさんと接することによって、より深く真摯に向き合わないといけないと改めて思っているところです。今日、いろんな意見を伺って幅が広い世界があると再認識しました。(塚本氏)

〇みなさんのような人たちと繋がれば、もっと日本の生活や環境に慣れると思います。楽しかったです。(グエン氏)

〇日本のみなさんが外国人のために活動していることを大変有難く思います。今回のフォーラムを通して私たちの活動を知っていただけたと思います。今後、もし、みなさまの周りで困っている外国人を見かけたらぜひ声掛けをしてあげてください。(林氏)

〇いろいろな団体の話が聞けてよかったです。「外国人」、「日本語教育」ということがテーマだけど、これは日本人も外国人も関係なく「居場所」というのをこれから意識して運営していかなくてはならない大事なことだと思いました。そしてそれが自然なことになるよう頑張って活動していきたい。(金子氏)

〇本日のテーマ「居場所」に関して言うと、日本に来て日本語教室に通っていたときは日本語教室が、今は、通訳翻訳グループカムオン・シェシェが居場所になった。わたしの大事な居場所となっています。今日、参加されているみなさんも外国人のみなさんもぜひ自分の居場所、心和む場所を見つけていただければと思います。(稲田氏)

〇この場があって私たちは力をもらっていると改めて思いました。今日また新たな第一歩に、ご参加くださったみなさまも今日からまた新しい一歩をさらに良い地域を作れるように一緒に頑張っているといいなと思っています。(矢崎氏)

■ 参加者の声

参加者の皆さまの声を一部ご紹介します。

  • 外国から来た方にとっても、日本のスタッフにとっても居心地の良い居場所があるのは、素晴らしい事だと思いました。
  • 日本語教室の運営者側だけでなく、そこに通った学習者側からの声を聞けたのははとても有意義でした。これからの、地域の活動に生かしていきたいと思います。
  • 「教える、教わる」ではなく、信頼関係のあるコミュニティーをつくることが大切だと改めて思いました。来日する外国人の方の目的も生活も多様で、そんな方々に寄り添える日本語教師になれたらと思います。ボランティアの方々も、活動を通じて日々学んでいかれていることが、とても素晴らしいです。
  • 地域の為に、一生懸命な方々に、心を打たれました。素直にすごいと感じます。相手の必要な事が、なかなかわからず、ただ教科書に従って日本語を教え続けることに、疲れていたので、気持ちの切り替えになったと思います。ありがとうございました。