かながわ地域日本語教育フォーラム
日本語教室ってどんなところ?~変わりゆく日本語教育と地域の日本語教室を考える~
神奈川県では、多文化共生をめざし、地域日本語教育の取組を進めています。
今回のかながわ地域日本語教育フォーラムでは、地域の日本語教室に関わっている方々にご登壇いただきました。基調講演、日本語教室の教室紹介に加え、参加者同士の交流タイムも設け、地域の日本語教室の魅力を再発見する機会としました。
- 日時
- 令和5(2023)年10月28日(土)14:00~16:00
- 開催方法
- Zoomによるオンライン開催
- 参加者数
- 133名
- プログラム
- 第一部
1.基調講演
2.教室紹介・トークセッション
第二部
3.参加者交流タイム
Zoomのブレイクアウトルーム機能を使った参加者同士の自由な交流の時間
1.基調講演
NPO多文化共生プロジェクト 深江新太郎 氏
「街から日本語教室が失われると何が失われるのか」という問いかけのもと、日本語教室をめぐる課題やそれに対する国の政策についてご説明があり、日本語教室の可能性として3点、提示がありました。
サードプレイス=共生の場所というキーワードから「地域の人とつながる場所」、外国人住民は日常生活で実現したいことがあるというお話から「日本語が学べる場所」、ボランティアは外国人住民の話を聞き地域資源につなぎながらサポートする存在であるという話から「生活相談ができる場所」という3点です。
そして、ボランティアに求められる「聞く力」として、2つの動画を視聴、比較しながら、望ましい話の聞き方についてもご紹介いただきました。とくに「地域の人とつながる場所」と「生活相談ができる場所」という部分で、聞く力が必要であることをお話いただき、最後に、日本語教室は外国人を地域社会の一員として受け入れていく包容力のある場所となることが大切というお話もしていただきました。
2.教室紹介・トークセッション
ポットラックインターナショナル 竹渕郁代 氏
横須賀市で日本語教室を開催している「ポットラックインターナショナル」の活動について概要をお話いただきました。また、活動の中で参加者全員で会話をする時間を設けるなど居場所づくりをどのように行っているか、学習者との関係づくりをどのように行っているかについてお話していただきました。
日本語ボランティア ことのは 守友洋子 氏、松田美紀 氏
相模原市で日本語教室を開催している「ことのは」の活動について概要をお話いただいたあと、ボランティア同士の情報共有の大切さやボランティア活動を通じてボランティアが得ていることについてお話していただきました。
さむかわ国際交流協会日本語教室 椎名宏美 氏
さむかわ国際交流協会が実施している日本語教室について、寒川町の外国人住民の様子も交えて概要をお話いただいたあと、椎名さんの教室での役割や今後やってみようと計画していることについてお話していただきました。
3.参加者交流タイム
Zoomのブレイクアウトルーム機能を使って、参加者同士の自由な交流の時間としました。登壇者5名も加わり、活動のやりがいを聞いたり、日々の活動で感じているお悩み相談をしたり、ルームごとに自由にお話していただきました。
すでに日本語教室でボランティアをされている方同士が自分たちの教室の様子について話すルームもあれば、これからボランティアを始めようか迷っている方を励ましているルームもありました。各ルーム、参加者同士で交流を深めることができました。
■ 参加者の声
- 教えるという姿勢ではなく、生徒さんが日本語がうまくつかえずに困っているそんなシチュエ-ションから始めればすんなり入れそうだと感じました。ありがとうございました。
- 改めて日本語ボランティア活動の重要性と使命を自覚できる機会となりました。自分も地域の日本語ボランティアに参加しているが、他の地域の活動も知る機会を得ることが出来てためになりました。
- 内容が盛り沢山で、そのため進行が忙しい雰囲気のフォーラムと違い、心地よくお話しを聞いていられるフォーラムで良かったです。質問は第2部でできるということでしたが、時間の関係で参加できず残念でした。
- 情報がシンプルで地域日本語教室において1番大切なことが扱われていたと思うので、これからボランティアを始めたいなぁと思う方、現在ボランティアをしている方にとっても役に立つフォーラムだったと思います。ありがとうございました。 今後のテーマとして、1つの地域日本語ボランティア団体がその地域のまちづくりの1部として、いかに多文化共生社会づくりの住民の意識の向上につながっていけるかなど事例を取り上げていただければうれしいです。
- このような会は情報交換だけでなく、皆さんとの交流や繋がることがありがたいと常に感じています。「可能なら会場で」と感じました。が、zoomだからお話できた方もいて、悩ましいところです。 今後、必要性が増していくであろう「子どもの日本語教室」について、取り上げていただけると嬉しいです。
- 私はまだ日本語教室や日本語支援に対して知識が少ないので、このような会に参加する事に不安があったのですが、オンライン開催で、一部だけの参加が可能だったのは凄く参加しやすかったです。 深江新太郎様のお話は、私が今まで日本語教員課程を大学で履修してきた中で学んだことにプラスして、専門的に調査されている方の目線の疑問点や解決方法があり納得させられる部分がたくさんありました。学習者が日本語を話せるようになるかは聞き手次第というお言葉は今回のお話で1番印象に残りました。二つの比較動画を見せていただき想像もしやすかったですし、聞き方一つであそこまで会話が広がるのかと勉強にもなりました。私も実践の場があれば挑戦したいと思いました。 また、司会進行の方が、各日本語教室に事前に足を運んでいたり、先生との交流があった事が印象的でした。各教室の紹介が終わった後、その教室のいいところや努力していることを客観的にアピールしているところが良かったと思いました。 とても勉強になる会でした。 この度はありがとうございました。
- 参加者の交流の場もあったのが、とてもよかったと思う。 時間が足りないくらい盛り上がったので、情報交換したい方が多いのだと思います。 もし可能であれば、全体で活動の困った点などを話し合える機会があると、地域の日本語教室を支えている方々の助けになるのではないかと思いました。 またの開催を楽しみにしております。 ありがとうございました。
- オンライン開催は気軽に参加できるので良かったと思います。 日本語ボランティアをしていますが、深江先生の講演でその役割の重要性を再認識しました。非常に意義のある講演だったと感じています。各地域の日本語教室紹介は参考になりましたが、実際にボランティアをしていると、1回だけで来なくなる学習者や、数回通ってきて突然来なくなる人もいます。各地域で抱えている悩み(定着率の低さや入れ替わりの激しさ、その他)があるはずなので、そうした実態がわかると参考になるので紹介していただけるとありがたいです。
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