かながわ地域日本語教育フォーラム
多様な主体が連携した地域日本語教育を目指して
神奈川県では多文化共生をめざし、地域日本語教育の取組を進めています。
その取組の一環として、日本語教育に関する基本的な理解や関心を深める
ことを目的としたフォーラムを開催しています。
今回は、「多様な主体が連携した地域日本語教育を目指して」と題し、県内の
自治体職員、日本語教育機関、商工会の皆さんにご登壇いただき、それぞれ
の立場から連携の意義についてお話を伺いました。
- 日時
- 令和6(2024)年2月7日(水)14:00~16:00
- 開催方法
- Zoomによるオンライン開催
- 参加者数
- 195名(神奈川県内外の自治体、国際交流協会、地域日本語教室、大学、日本語教育機関、NPOなど)
- 進行
- 諏訪淳美((公財)かながわ国際交流財団/地域日本語教育総括コーディネーター)
- プログラム
- (1)基調講演「地域の日本語教育と多文化共生ー多様な主体の連携ー」
武蔵野大学グローバル学部教授 神吉宇一氏
(2)情報提供「神奈川県の地域日本語教育事業について」
神奈川県国際文化局国際課 佐々木敬大氏
(3)事例発表①
平塚市文化・交流課 髙橋翔氏
事例発表②
アーツカレッジヨコハマ 宮下泉美氏・丸山麻衣氏
事例発表③
綾瀬市商工会 中村貴子氏
(1)基調講演「地域の日本語教育と多文化共生ー多様な主体の連携ー」
武蔵野大学グローバル学部教授 神吉宇一氏
多文化共生社会の実現に向けて、地域日本語教育が目指すべき方向性についてお話いただきました。今後の地域日本語教育には、
おしゃべりに留まらず、これからどんな社会をここで暮らす私たちが作っていきたいのか、そのことを対話していく必要があること、そして、今後に向け、「地域日本語教育を行う意義をどう考えるのか」、「共生社会の実現に必要となる“意味のあるやりとり”をどのように生み出していくのか」、「生活場面の様々な関係者とどうつながっていくのか」等の課題提起がありました。
(2)情報提供「神奈川県の地域日本語教育事業について」
神奈川県国際文化局国際課 佐々木敬大氏
本フォーラムのテーマである「多様な主体との連携」という観点から、令和元年度「日本語教育の推進に関する法律」の施行以来、神奈川県が進めてきた地域日本語教育の総合的な体制づくりについて、取組内容を報告しました。
(3)事例発表
①平塚市文化・交流課 髙橋翔氏
平塚市における地域日本語教育の取組を中心にお話を伺いました。平塚市は、令和3年度から神奈川県と連携して地域日本語教育事業に取り組んでいます。事例発表では、過去の取組を振り返り、本フォーラムのテーマである「連携」の視点から印象に残っている事業を挙げていただきました。そして、各種事業を行う上で、髙橋さんが苦慮されたことや得られた気づき、そして、平塚市、平塚市国際交流協会、神奈川県、かながわ国際交流財団、講師が連携して事業に取り組んだ意義についてお話いただきました。
②アーツカレッジヨコハマ 宮下泉美氏・丸山麻衣氏
神奈川県主催、横須賀市共催の「はじめてのにほんご(横須賀教室)」についてお話を伺いました。宮下さんと丸山さんは当教室に講師として関わっています。事例発表では、当教室への参加を通して感じた留学生に対する日本語教育と生活者に対する日本語教育の違いや、日本語教育機関が地域日本語教育に携わる意義、そして、横須賀市、神奈川県、かながわ国際交流財団、地域日本語教室など、多様な主体が連携して地域日本語教室を開催する意義について、お話いただきました。
※「はじめてのにほんご(横須賀教室)」の詳細はこちら
③綾瀬市商工会 中村貴子氏
綾瀬市商工会・神奈川県共催の「外国人従業員向け日本語講座」についてお話を伺いました。中村さんからは当講座の開講に至るまでに綾瀬市商工会が担った役割(市内企業と神奈川県・かながわ国際交
流財団・講師の橋渡し、講座の広報協力、会場提供など)のほか、授業に参加して得た感想、商工会としての視点から外部の団体と連携して日本語講座を実施する意義などについてお話いただきました。
※「外国人従業員向け日本語講座」の詳細はこちら
■ 参加者の声
- 私は市の日本語コーディネーターを担っていますが、今年度が初年度ということもあり各所との連携がうまく取れずモヤモヤとしていたので、本日の講演を拝聴し、大変参考になりました。ありがとうございました。
- 自治体、商工会議所、日本語学校という立場の違う団体が発表したことが良かったです。 ヨコのつながりを作った試みを素晴らしいと思うので、今後もぜひ続けてほしいと思います。 ありがとうございました。
- 運営面でも非常に勉強になりました。時間もぴったりで、お話される人数が多いにも関わらず、事前に打合せ、調整が丁寧にされていることがよく分かりました。質問時間を多くとっていただけると、双方向となりますし、オンラインで2時間半程度であれば参加者も参加しやすいと感じました。ありがとうございました。
- 専門家の先生、県や市町の方、日本語学校や商工会など多様な人のお話を一度に聞く機会となり、大変勉強になりました。地域日本語教育コーディネーターの方の多様な他者との連携や関わり方についても、ぜひ今度お話いただければと思います。
- 日本語講座を担当していますが、社会の動きに合わせて方向性、運営方法など修正しながら開催しておりますが、悩みがつきものです。今後は県内の他部署とも連携して行っていきたいと感じました。ありがとうございました。
- 外国ルーツの方への学習支援、日本語教育の非営利団体に関わる者です。防災など生活に関わるセミナーを開催したり工夫しながら皆で取り組んでおります。コーディネーターの存在が大切だと感じながら、資金面でなかなか充実させることが厳しいと思います。このようなセミナーを通して学ぶことは多いです。ありがとうございます。
- 他県からの参加なので、オンラインで参加することができてよかったです。地域日本語教室の大切さを改めてかんじました。また機会があれば参加したいです。本日はありがとうございました。
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