「女性の力」でさまざまな世界の課題を「地域」から考え、取り組む
認定NPO法人WE21ジャパン 民際協力室 小池絢子さん
(インタビュー実施日 2021年11月15日(月))
WE21ジャパンHP
http://we21japan.org/
WE21ジャパンでは、かながわ民際協力基金52期(2020年度)の助成を受けて「韓国の自活事業団体と神奈川の地域団体をつなぎ、地域住民が草の根レベルで生活困窮支援を行う経験交流」という事業を実施しました。韓国の団体「慶南地域自活センター」が行っている生活困窮者自身が事業を立ち上げる事で貧困問題を解決する、という先進的な活動について、コロナ禍のさまざまな制限の下、ネット上のビデオ会議を有効に活用して交流し共有することで、韓国と日本の市民同士の連携を強化に取り組んできました。
民際協力室の小池さん(写真)に、WE21ジャパンの組織の成り立ちやビジョン、WEショップ、そして助成金のことなどを伺いました。また特定非営利活動法人WE21ジャパンいそごが運営する、WEショップ洋光台店と磯子店にも訪問しました。
WE21ジャパンの活動主体は、女性たちがメインで活動されているとお聞きしました。そもそものWE21ジャパンの成り立ちや設立の想いとはどのようなものだったのでしょう。
WE21ジャパンは、神奈川県の女性たちが立ち上げた2021年で22年目を迎える団体です。立ち上げの経緯としては、女性たちの手でなにか地域社会の活動から国際貢献できる方法はないものかといろいろと模索している中、先ずイギリスのチャリティショップ・オックスファム(貧困と不正を根絶する為の支援活動を展開する団体)のことを知り、市民活動やボランティアに熱心な神奈川の女性たちが実際に英国を訪問しました。
そして、地域の市民たちが自分たちの身の回りにある雑貨や洋服を持ち寄って、それを再販売することの収益で世界の問題解決につなげているという仕組みに共感し、この女性たちが神奈川でも同じようなことをしようということでWE21ジャパンを立ち上げました。
WE21ジャパンは、環境、貧困、人権などの問題を地域から考えようとする団体です。海外で活動するNGOと地域市民をつなぎ、ともに平和を作っていくことを目的としています。
きっかけとして、同じ志を持つ女性たちが自分たちの力をどうやって活かすことができるだろうか?、どうしたら地域から国際貢献ができるだろうか?、という問題意識から始まったということですね。
私たちの団体名の「WE」は、Women‘s empowermentの略で「女性たちのエンパワーメント」となりますが、それは「それぞれの女性に内在する能力に気づかせ背中を押すこと」という意味合いがあります。
先ず神奈川でWEショップ(チャリティ・ショップ)を立ち上げた女性たちが力をつけること、自分たちでお金を生み出して社会貢献を行うこと。そのこと自体を普通の女性たちがやっていること。それが日本の女性たちに力をつけるということに繋がっていけばと思っています。この活動によってアジアを中心とした女性たちを支援することで「女性の力」でさまざまな世界の課題を「自らの手で変えていく」という想いがこの団体名には込められています。
なにか国際貢献していきたいけれども実際に何をどのようにしていけばよいのかがわからない、という人たちがいらっしゃれば、そういう方々に実際に私たちの活動に参加していただいたり、広報活動を通じて知っていただくことも一つのきっかけになるのかな、と思います。私たちのWEショップはボランティアが中心となって運営されていますので、例えば品出しをしたりレジを打つなどお店でのさまざまな仕事に、とても気軽に誰でもができるボランティアとして参加することができますし、お客さんとしてお買い物をするというかたちでの参加もできます。これまでも、普通の人たちが気軽に参加できる国際協力としてアピールしています。
神奈川県下では現在、WEショップは何店舗あるのでしょうか? またショップで販売する商品の中にソーシャルプロダクトという商品ジャンルがあるとお聞きしましたが、それはどういったものなのでしょう?
神奈川県内だと45店舗あり、東京都に2店舗あります。ソーシャルプロダクトについてはフェアトレード(公正な取引を意味し、具体的には食品や手工芸品を現地から公正な価格で購入し販売することなど。発展途上国の貧困な生産者・労働者の生活改善と自立を支援する国際的な運動のスローガンともなっている)にかかわるものです。
私たちはフェアトレードにとても力を入れており、その一つとして、フィリピンのルソン島北部のベンゲット州にある山岳地帯での活動があります。そこの女性たちの活動は、私たちがWE21ジャパン設立後、最初に支援したものであり、20年にわたり現在も継続して交流しています。その方たちの活動は、病院がない山岳地帯の集落なので地域の保健活動として、病院にできるだけかからないようにするために薬草療法や鍼灸、マッサージといった代替医療で保健活動を行っています。薬草療法の一つとして飲まれていたしょうが糖を「森育ちのしょうがバウダー」という商品として、私たちがフェアトレードを行うことで村の人たち自身が自分で保健活動の資金を獲得しています。これは私たちが今、一番力を入れている独自のフェアトレードです。
その他にも、これは以前かながわ民際協力基金の助成金(2010~2012年度)も頂いて取り組んでいるものですが、同じくフィリピンのベンゲット州の山岳地帯において、森林農法という農法で生産者の人たちがコーヒーの生産を行う支援をしています。これはシサムコーヒーという名称ですが、今は京都にあるシサム工房というフェアトレード団体と取引をしており、また現在、WEショップでも販売しています。他にも横浜にある「百屋(ひゃくや)」というフェアトレードのお店でも同じように私たちが支援している生産者の「バアヤン村」というコーヒーを取引しています(写真上はフェアトレード商品の数々、下はコーヒー生産者の人たち)。
このように私たちが支援しているソーシャルプロダクトが並ぶWEショップにてお買い物をしていただくことで海外支援ができます。このように身近な買い物が海外支援につながるので、フェアトレードにはとても力を入れています。他にもパレスチナのオリーブオイルやパレスチナのオリーブ石鹸、カンボジアの刺繍製品などを扱っています。
こうしたフェアトレード商品の他にも、一定の寄付をすることでもらうことができる寄付商品というものもあります。「ジムネット」というイラク、シリアの小児癌の子どもを支援している団体の「チョコ募金」では、550円以上の募金をすると缶に入ったチョコレートがもらえます。こうした活動にも45店舗あるWEショップの(すべてではありませんが)ほとんどが参加しています。これもやはり「支援をした証が手に入る」ということから、国際協力・海外支援に参加している感覚を寄付者の方に持ってもらえるという意味で、大切な活動だと考え力を入れています。
社会貢献の手法としてWEショップ(チャリティ・ショップ)を運営していくことが事業の大きな柱となっているのですね。
まずチャリティ・ショップの定義自体が「売り上げを社会貢献に活用する」となっていることがそもそも前提にあります。また他にも、私たちがどのような社会貢献を行うのか、を考える際に立ち返るところは何かというと、団体設立のきっかけとなっている先進国(もちろん私たち日本を含めて)における大量生産、大量消費に対する問題意識があります。私たちが着ている洋服や使用しているパソコンに使われている金属などは、そのほとんどが海外途上国から大量に輸入している一方で、それらを簡単に捨ててしまってもいます。
そうした構造をリユースを通して解決していくとともに、開発によって苦しめられている地域の人たちの貧困や人権、環境問題についてもアプローチをしていくことを目指して、地域のお金を使おうと決めています。私たちのビジョン、ミッションゴールである「大量生産、大量消費の世界」から「搾取される社会の不公平をなくす」という活動の両輪のひとつとして地域のお金をそうした部分に使うということが、設立当初から決めてきたことなのです。
年ごとに活用内容も多彩になり規模も拡大されているようですが、それが実現できる原動力はどこにあるのでしょうか?
一つには私たちの活動自体が「参加型」と言われる方法で行われていることではないでしょうか。NGOの中にはスタッフの方たちが中心となって事業を進めているところも多いのではないかと思いますが、私たちの場合は、さまざまな問題に関心をもって、私たちの幅広い活動に参加している数多くのボランティアの人たちがいます。そうした人たちによる「参加型」の事業が推進されてきたという歴史があります。ボランティアの方々の「強い思い」によってさまざまなチームができて、それによってますます拡大してきたという経緯があります。
ただ現在、それによって活動内容が広がりすぎてしまっているという側面もあります。時流に合わせて「この問題も扱おう」「この課題も解決したい」と活動が少し広がりすぎてしまったかなという面もありますが、いずれにしろ「社会を変えたいという情熱のある女性たち」がたくさん集うことで活動が広まっていったのだと思います。事業規模が毎年拡大している原動力はこれだと思います。
数多くのWEショップがありますが、これらのお店の運営は、地域ごとに別々の団体が運営主体となって独立しているのでしょうか? あるいはグループ全体で運営しているのですか?
現在47店舗ありますが、これらのお店は36のNPO法人がそれぞれ主体となり運営をしています。例えば磯子区にある磯子店(写真参照)、洋光台店のWEショップ2店舗は「WE21ジャパンいそご」というNPO法人が運営しています(これら2店舗については後段のコラム参照)。したがって私たちWE21ジャパンは、こうしたチャリティ・ショップを1~3店舗運営している各NPO法人からなる大きなネットワークが、その実体です。
なので、それぞれのお店が独立した法人として支援先も決めており、その結果として、これら支援額を集めると非常に大きな額となりますし支援先も多岐にわたっており、今では支援先も28ヵ国になっています。それぞれの法人で支援の方針もさまざまなので、例えばフィリピンを非常に応援するところもあれば、女性支援に特化した支援活動を行っているところもあります。
私たちは、このような地域ごとの団体をつなげるネットワークの中で統一した基準(例えばリユース品として寄付されたお洋服を販売するという方針やその値段のおおよその基準など)を設けています。販売している洋服の傾向は、その地域の人が寄付してくれたものなのでお店によって特色があります。また例えば「森育ちのしょうがパウダー」といったフェアトレード商品はほとんどのお店で売っていますが、パレスチナの商品を売っているお店や、インドの商品を売っているお店などさまざまで、それぞれの法人で決めている支援先によって販売している商品が特化されていますね。
例えばWEショップ藤沢店ではフィリピンの「森育ちのしょうがバウダー」の販売を行っていますし、アフリカの南スーダンなどの支援もしています。ニュース報道にもありますが、南スーダンは現在、政変が起こっており大変な地域ですが、南スーダンの支援説明会を開催し、紛争が起きている現地で活動している方々の生の声を届けるような活動も行っています。こうしたイベントは、お店の中で開催することもありますが、お店が手狭な場合もあるので、地域の会場を借りて行うことの方が多いですね。こうしたイベントで現地の生の声を届けるのも「海外支援」へのきっかけづくりになっています。
また海外支援をする際には、現地との交流も積極的に行っています。私たちは、チャリティ・ショップのお金をただ現地や日本のNGOに送るのではなく、そのお金がどのような活動に使われるのかを見届けることをとても大切にしています。訪問できる支援先には必ず訪問し、そのお金の使われ方や、現地の人たちがどのような問題を抱えているのか、といったニーズを把握することを通して「顔の見える関係を現地の人たちと築く」ことを地道に積み重ねています。ちなみに今回の民際協力基金でいただいた助成金による、支援先やパートナーの人たちと行った活動においても「顔の見える関係」の構築をできたので非常によかったと思っています。
WE21ジャパンの組織全体について教えてください。
2020年度のデータからご紹介します。チャリティ・ショップについては、少しお話したように世界28ヵ国の84団体124プロジェクトに対して支援をしています。物品の寄付件数は70,143件、ボランティアの参加延べ人数は、28,551人、寄付していただいた物品の販売収益金は、2億387万1,763円です。そのうち海外各地の助成に使われた助成金支援金総額が1,760万3,562円です。
ちなみに、これらの件数や人数、金額はとても大きな数字となっていますが、先ほども触れたようにWE21ジャパンは各地域のNPO法人WEショップの活動が円滑に進むよう調整する中間支援がその役割なので、WE21ジャパンの組織そのものが大きいわけではありません。以前は、WE21ジャパンが本部として機能していたのですが、その時はショップの収益金がWE21ジャパンに一旦集約され、今年はどこを支援するかについて、ショップの人たちとともに協議をしてお金を分配していました。ただそうした方法が10年ほど前に変更されて現在は、それぞれのショップを運営する法人が、認定NPO法人になるところも増えてきて独立した運営ができるようになっています。
ですのでWE21ジャパンでは、ショップ間をつなぐ物流や、共通の商品を保管する倉庫の運営などの業務委託を受けたり、ショップ全体の広報や海外での支援活動と地域をつないでいく活動などを行っています。さらに昨年度(2020年度)はコロナの影響でショップの運営も非常に厳しくなった中で、WE21ジャパンがWEショップを支える中間支援の活動をしていくために、より多くの市民のみなさんから、広く共感を得ながら寄付を集めていくことなどで、私たち自身がお金を生んでいかなければいけない側面がより強くなってきています。
実はWE21ジャパンの収入源だったWEフェスタという毎年、開催してきた大きなチャリティバザーのイベントがありました(写真参照)。2019年までは横浜市中区にある産業貿易ホールという展示会場を借りて全国の方から寄付いただいたお洋服を販売することで、WEショップでの買い物を体験してもらうのと同時に収益を上げる場として実施していました。ただコロナによって2020年以降は開催できておらず、大きな打撃となっています。
また組織の主要な活動としてこの他に「政策提言活動」があります。例えば、今年度は、ミャンマーに関する提言活動を行いました。ミャンマーは、今年(2021年)2月から国軍による市民の弾圧が続いていますが、実はこれに日本のODA(政府開発援助)の公的資金や企業の資金の一部がミャンマーの国軍にも流れているのではないか、という疑いがあることをNGOの方々が提言していました。そこで、設立当初から、私たちの税金が使われているODAについて注視し続けている、という経緯もあり、その活動への協力として8月には学習会を開いたり、政策提言活動を行いました。
2020年度までは、アフリカのモザンビークで行われてきたプロサバンナ事業(正式名「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力による熱帯サバンナ農業開発プログラム」)について長く注視し続けて、市民が払う税金が現地の方たちの意思に反することに使われていることを伝えてきました。このプロサバンナ事業に関しては、さまざまなNGOや現地の組織の反対が実って中断されることになりましたが、同様の問題が各地で起きているのではないか、ということで、今年はこのミャンマーの問題に関する提言活動に関わってきました。
かながわ民際協力基金への申請のきっかけや活動の内容はどのようなものでしょうか?
私たちは2010年に民際協力基金を初めて申請いたしましたが、その背景としては、私たち自身も「民際協力」という言葉を使って市民の人たちが力をつけていく活動をしていた、ということもあります。私たちが拠点展開をしている神奈川において「民際協力基金」の交付を行っているかながわ国際交流財団という団体の存在を知って、その活動自体に非常に共感しました。
2010年から3年続けて助成を頂いた時にも、私たちの支援活動も暖かく見守っていただきましたし、現地のさまざまな事情にも配慮いただき、非常に良い成果をあげることができました。昨年(2019年)、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、本来であればこれまで現地に赴き交流してきた活動を大きく方向転換しなくてはいけない中で、今回、助成をしていただいたことでZoomも活用した交流という新しい活動を始めることができました。
具体的に行った活動の一つとして、慶南(キョンナム)地域自活センターという韓国の団体とお互いの活動についてZoomを通して話し合うことに加え、これまでであれば現地にスタディツアーで足を運んでいたのがコロナによってできなくなったので、その代わりに互いの活動についての動画を作成しました。例えば私たち側では、WEショップ内にカメラが入り内部の様子や、実際にかかわっている人たちの声が伝わるような映像を制作しました。
そしてまた私たちと慶南地域自活センターの交流に加え、韓国の生活困窮者の人たちの自立を支えている画期的な活動について、神奈川をはじめとする日本の困窮者の自立支援を行っている団体に知ってもらうために公開シンポジウムを2021年5月に開催しました。さらにはその後、よりテーマを特化したかたちで横浜市寿町において困窮者生活自立支援の活動をしている団体と慶南地域自活センターとの間でのクローズドな交流会も引き続き行いました(写真参照)。このように52期の民際協力基金での助成事業は、ほぼ予定通りに計画した活動が実施できたと思っております。
慶南地域自活センターとは「友好協定」を結び、2013年から5年間にわたって最初の友好協定の期間からお互いに行き来してきており、中でも年に1回は大きな規模で非常に濃い交流をする場を設けてきました。ただ今回初めて、年に複数回にわたってZoomで交流する、というかたちになりましたが、綿密に会議を重ねていくことで韓国の方たちとのネットワークが強化されたのが大きな成果だったと思います。
また、これまでは実際に韓国に足を運ばないと交流できなかった人たち(さらには日本の他の支援団体)ともZoomで非常に気軽に交流できるようになったのはよかったです。WE21の地域法人と韓国の法人とで行ってきた交流の輪に、新しく寿町で活動する神奈川県の他の生活困窮者の支援団体の方たちにも加わってもらえましたし、韓国の活動についてもZoomで講演会を開催したことで、より多くの市民の方たちに広めることができたのも大きな成果だと思います。
WE21ジャパンの今後の課題、さらには未来に向けたビジョンについても教えてください。
今後の課題については、今回の助成を頂いた活動もその中のひとつでしたが、コロナ禍によって大きな転換を迫られる中でどのように対応していくか、ということが大きな課題と言えます。昨年から続くコロナ禍で感染者数が増えて緊急事態宣言も発出されWEショップ自体も休業を余儀なくされることも度々ありました。私たちがこれまで現場で作ってきた活動――WEショップという現場や現地に足を運んで作ってきた顔の見える交流など――も本当にできなくなって2年近くが過ぎました。私たちが大事にしてきた「互いの顔が見える関係を築くこと」や「地域の人びとにさまざまな問題について伝えていく活動」――私たちは「共育(ともいく)活動」と呼んでいます――を、これまでと同じように続けていくことができるのか、非常に悩み、苦労しながら取り組んできました。
これから日本でのコロナの状況が改善されたとしても、フィリピンなどをはじめとした支援先の国々の現地に足を運ぶのは今後も難しい可能性があります。こうした中では、今回のZoomでの交流を一つのモデルとして、ICT(情報通信技術)ツールを活用した活動をもっと取り入れていかなければならないことが、今後に向けた大きな課題としてあります。
組織全体の大きな課題としては、私たち自身が次の世代に向けた活動をなかなか展開できていない、ということもあります。1999年の設立から、すでに20年以上が経っていますが、当時30代40代の主婦の方たちが、そのままコアメンバーとして関わっている方も多く、新しい世代の人たちへ活動を受け継いでいくことに苦戦しているのが実情です。WEショップもコアの世代である50代60代以上の人にとっては入りやすいお店だと思いますが、それ以下の世代や、例えば学生さんなど若い世代にとってはなかなか入りづらいお店になっているかと思います。
これまでショップにおいて、次の世代の方と一緒に交流していく活動ができていなかったので、ICTツールを使った講演会などを開いて、ソーシャルプロダクツ、フェアトレード商品を扱っているお店であることを知ってもらったり、エシカルな消費行動(消費者自体が各自にとっての社会的課題を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援する消費活動を行うこと)をとることの大切さを広くアピールしていくことが必要だと思います。私たちWE21ジャパンは「チャリティ・ショップの中間支援」という役割を持っていますので、私たち自身がもっと、より広い世代の人たちをつなげていけるように広報やネットワークの拡大に、さらに力を入れていかなければならないと考えています。
また広く知ってもらうことの一環として、現在ネット販売のトライアルを始めています。WEショップはこれまで、現場でしか販売をしていなかったのですが、コロナで休業を余儀なくされてきたことを受けて、オンライン上でのWEショップを今年(2021年)からトライアルで開始しています。1月にはオンラインで洋服が買えるようになる予定です(写真参照・URLはこちら
https://we21japan-onlineshop.raku-uru.jp/)
かながわ民際協力基金の助成金に対する思いや希望があれば教えてください。
この「民際協力基金」の助成金をいただくことで、これまでできなかった活動を行うことが出来るようになり、かつそれが今後のモデル的なものになる活動だったので、有効な使い方ができたと思っています。今まで大々的には行えていなかったオンライン上での他団体を巻き込んだ交流の「モデル事業」ができたことは、今回の大きな成果です。
20年以上活動してきている中で、今回のように新しい課題解決に向けたブレークスルーをしなくてはいけない局面で、今後も助成金を活用させていただければと思います。例えば2013年に助成金をいただいた時も、その後の報告会にも参加させていただいたり、また今後も助成団体が集まる意見交換会も開催されるとのことで、団体同士での連携もできるようになればと思います。