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今後について

今後、自身と同じような外国につながる若者(後輩)にどういった制度があればいいと思いますか?

福田さん:
私自身の経験で話すと、やはり「神遊協・神福協奨学金制度」のおかげで、両親があまり辛い思いをせずに生活できたことは、一番大きいサポートだったなと思っています。

特に日本に来たばかりの方や、あまり日本語や日本での生活がわからない方はとても苦労する部分があると思います。そういった時、金銭面でサポートしてもらえる制度があることは、これからの外国につながる若者(後輩)にとって、すごく助かるはず。今後そうした制度があってほしいですね。

他にも、私自身は日本で生まれ育ったのですが、カルラさんのように最初に日本語の理解が難しい方に対して、学校の授業以外でも語学のサポートが充実していくと、本人も学校や日本で暮らしていくことに馴染みやすくなるのではないかと感じています。

イエンさん:
私にとっても大きかったのは、金銭面でしたね。「神遊協・神福協奨学金制度」を受けることができたおかげで、両親がとても助かったのが、一番嬉しかったことでした。

私たちの代で「神遊協・神福協奨学金制度」はなくなってしまうということですが、今後も同じように学校での費用を支援してくれるような制度があってほしいと思っています。

カルラさん:
私もこの「神遊協・神福協奨学金制度」があったからこそ、生活に問題なく、学びを続けられたということがあるので、とても助かりました。今後この制度がなくなってしまったら、次の後輩はとても苦労するのではないかと思うので、似たような制度や支援があってほしいです。

それから、さっき福田さんが話していたように、日本に来たばかりで日本語や日本文化がわかっていない人に向けて、サポートがあってもいいかなと思います。

私は他の人の話を聞いたりしながら日本語を覚えていきました。でも、授業では日常的な会話ではなくて、学習用の独特の言い方が多いので、理解することがとても難しくて…空いている時間に先生と一緒に特別な勉強をしたり、漢字の勉強をしたり、授業でわからなかったことを1対1で勉強していました。授業中はクラスメイトが一緒にテキストを読んでくれたり、問題の説明をしてくれたりしたので、すごく助かりました。外国につながる若者(後輩)が、そのようなサポートを得られる環境であってほしいです。

林さん:
私もみんなと同じように授業中にわからないことがあった時、担任や授業の先生、周りのクラスメイトが優しく教えてくれ、助けられてきました。ですから、そういった日本語への理解を深められるサポートや制度があればいいと思っています。

よりよい保育士になるために、今頑張っていることや今後頑張りたいことはありますか?

林さん:
私は保育園の先生や子どもたちの保護者の皆さんとスムーズにコミュニケーションを取っていくために、敬語をもっとうまく使えるように頑張っています。

カルラさん:
私も敬語や丁寧語を使い分けながらコミュニケーションを取ることがまだ上手ではないので、自分で練習したり、先生と勉強したりしながら上達していきたいです。

それから、自分が保育士になってクラスを担当することになった時のために、「2歳児にはこういったゲームがいい」とか「こういったことはまだできないから、こういった工夫が必要」といったように、準備をしています。そうした工夫が自然にできるようになってきたら、自分の出身国の遊びを取り入れるといった、私だからできることをしてみたいです。

イエンさん:
人とのコミュニケーションですね。繰り返しになってしまいますが、人見知りする性格なので、初対面の人とは、うまくコミュニケーションが取りにくいんです。相手から話し掛けてくれないと自分から話し掛けられないタイプ。なにか話題がないと、どうコミュニケーションを取ったらいいのかわからない部分があります。

でも、保育園ではたくさんの子どもや、職員の方々と関わらなければならない。人見知りをなくして、もっと人とコミュニケーションを取れるように頑張りたいです。

福田さん:
私はどちらかというと社交的な性格なので、人に対していろいろと質問することはできるのですが、それだけで終わってしまうことがあります。質問を通じて、人とコミュニケーションを取っていくなかで、もっと相手を知ろうとしたり、相手の回答をさらっと流さないようにしたりして、今よりも深いコミュニケーションを取れるようになりたいですね。

保育士になるという夢を叶えた皆さんですが、新たな夢や挑戦してみたいことはありますか?

福田さん:
保育士になって、何年か後に結婚したとして、その時もし保育士を一旦辞めることになったとしても、言葉に不安がある子どもや保護者の方と関われるような仕事にまた就けたらなと思っています。

イエン:
私は3、4年ぐらい保育士をした後、その時に自分がやりたいことや、興味があることに挑戦してみたいですね。今は保育士になるという一番の夢があって頑張っていますが、最近は通訳の仕事にも興味が湧いてきています。通訳の仕事のことや外国語についても勉強して、保育士の経験も生かしながら挑戦してみたいですね。

とはいえ、保育士や通訳の職業だけでなく、その時に興味がある他の職業に、可能なかぎり就いてみたいです。

カルラさん:
今は自分から人に話しかけることが全くできないので、将来に向けて頑張ってできるようになりたいです。そして保育士として仕事を頑張って、自分の家族を支えられるようになりたいと思っています。

林さん:
私は保育士として30歳ぐらいまで働いたら、もう一つになりたかったと話した、パティシエになりたいと考えています。ただのパティシエではなく、そこにも保育士の経験を生かしていけたらいいですね。

受験(面接試験・その他)に際して努力したことはありますか?

福田さん:
私はどちらかというと、思ったことを素直に答えられるタイプなので、面接ではとくに苦労することはなかったですね。もちろん面接の練習はしっかりやりました。

でも、履歴書を書くのはちょっと失敗をしてしまい、大変でした。

イエンさん:
面接は緊張でしかなかったですね。担任の先生との練習ですら緊張していたので、本番の面接ではさらに緊張しました。

でも、伝えたいことをしっかりと話すために努力していました。

カルラさん・林さん:
私たちも面接では緊張してしまって苦労しましたね。

では最後に、皆さんと同じように外国につながる若者(後輩)にメッセージをお願いします。

イエンさん:
やっぱり、夢って大事だと思います。夢を叶えるために、辛いことも頑張れます。「これ無理だ」と諦めてしまう人も多分いると思いますが、「諦めなければ実現できる」「諦めなければ叶う」と信じて頑張ってください。

福田さん:
辛いことや諦めたくなること、投げ出したいことなど、いろいろあると思いますが、人生なんとかなります。未来のことを心配しすぎるのではなく、今を一生懸命歩みながら生きていってほしいです。

カルラさん:
今はやっぱり大変かもしれないし、夢を持てていない人もいるかもしれません。でも、将来どうなりたいかをしっかり考えて、夢が出来た時は諦めずに、焦らないで、少しずつ自分のペースで頑張ればなんとかなります。

一番大事なのは、諦めないということです。

林さん:
もし日本にまだ馴染めていない場合、日本語を間違えることが不安だったり、心配だったりすると思います。ですが間違えてしまっても大丈夫です。きっと周りの人や友人が優しく助けてくれるはずです。

だから、勇気を出して先生やクラスメイト、周りの人たちなど、多くの人たちとコミュニケーションを取ってみてください。

取材を終えて

今回皆さんの話を伺っているなかで、丁寧な言葉を遣いながら「自分の気持ちを相手にしっかりと伝える」と意識していることがとても印象的でした。

そこには今まで学んできたことや「これから頑張っていきたい」という意思がしっかりと反映されていると感じました。

また、「諦めなければ夢は叶う」という皆さんの言葉が、心によく響きました。

今後も皆さんの活躍を楽しみにしています。インタビューを受けていただき、ありがとうございました!