第11回 グローバルな課題に、地域から取り組む
~神奈川の団体への助成制度 かながわ民際協力基金~
かながわ国際交流財団(KIF)の40年間の活動をふりかえる連載の第11回です。
今回は、神奈川県内の国際協力・多文化共生に取り組む団体の活動を支援する「かながわ民際協力基金」についてご紹介します。
※画像はクリックすると拡大します。人物の肩書は当時のものです。
●「かながわ民際協力基金」の概要
かながわ民際協力基金ウェブサイト |
「かながわ民際協力基金」(民際協力基金)は、貧困と飢餓、環境、人権、平和など地球規模の課題の解決と、「共に生きる」開かれた地域社会づくりに向けた市民による国際協力活動の推進を目的として1993年に設立されました。
神奈川県が中心となって県内の個人、団体、企業などから募った寄付金を基金として積み立て、その運用益を活用して、神奈川県内のNGO(※1)や市民グループが行う非営利かつ先進的な活動に助成を行っています。KIFは事務局としてこの基金を預かり、審査・助成に関わる業務を担っています。
申請の募集は、県内のNGO等に対し、次の6つの分野で年1回、例年5月に行われています。
①海外協力事業
②国内協力事業
③担い手育成事業
④団体活動充実事業
⑤緊急支援事業
⑥多文化共生の地域社会づくり応援事業
海外の開発途上地域の人びとの福祉・生活環境の向上、環境保全、教育、人権保護などの活動に取り組む草の根レベルの協力活動(①海外協力活動)、神奈川県内で外国人住民等の人権を守り、互いに認め合いながら「共に生きる」地域社会を実現するための協力活動(②国内協力活動)を中心に、開設以来25年間で約150件、総額1憶6千万円弱の助成実績があります。(2018年3月末現在)
民際協力基金には、海外協力・国内協力など直接課題を解決する事業だけではなく、事業を担う人や団体を育成する活動への助成枠もあります。課題を広く知らせ、行動する人を増やすための活動への助成(③担い手育成事業)や、広報・スタッフ研修・事業実施の事前調査・事後評価など、事業の質の向上や団体の運営基盤を整える活動への助成(④団体活動充実事業)がそれにあたります。⑤緊急支援事業は、国内外の大規模な災害等に伴う活動への助成枠です。
⑥多文化共生の地域社会づくり応援事業は、県内各地で外国人住民自身による活動や支援のニーズなどが増えてきたことから、2013年度に新たに設置した助成枠です。ニーズや実情に合った取組を支援することにより、県内全域での多文化共生の地域社会づくりを進めています。
民際協力基金助成の対象となる事業
http://www.kifjp.org/fund/frame1
http://www.kifjp.org/fund/frame2
審査は、客観的な立場からNGO等の活動を評価し、助言できる研究者や助成・ネットワーク団体などの専門家、NGO活動の実践者、基金の出資者からなる審査委員会によって行われています。
●民際協力基金 設立の背景
日本の海外協力NGOは、1970年代から80年代以降に設立されるようになりました。海外で発生する戦争や飢餓などの困難に苦しむ人々の支援に関心が集まり、市民による協力活動が増えていった時期です。
1989年、日本の政府開発援助(ODA)供与額は世界一になりましたが、衣食住や健康・教育など人びとの基本的ニーズを満たす分野への供与が少ない、実施される事業により環境破壊や住民の生活権の侵害がある、日本企業への利益誘導にあたるのではないか、など多くの批判も生まれていました。
政府や国際機関では解決できないこれらの課題解決に向け、市民レベルの国際協力組織であるNGOやボランティア組織への期待が高まり、1990年代、日本の海外協力分野のNGO設立はピークをむかえました。(※2)
また1970年代以降大量に流出したインドシナ難民の受入や、1980年代後半の好景気による労働力不足解消のため入国管理規制を緩和してアジアや南米出身の外国人住民を受け入れたため、外国人住民が急増し、神奈川県内でも支援のための活動が増えていきました。
神奈川県は1975年から「国際的な課題解決は、国や国際機関だけでなく、地域や人びとが担うことが必要である」という認識のもと、「人と人、地域と地域を結び、共に同じ人間として平等に生きることができる国際社会」を目指す「民際外交」を提唱していました。当財団もこの「民際外交」の理念のもとに1977年に設立されました。
1990年代に入り、この理念を具体化する仕組みを構築するため、「かながわ民際協力システム」の検討委員会(※3)が組織されました。自治体、研究機関、企業、団体など県内の様々なセクターが関わり、担い手となるNGO等への支援のため、「基金」の設立を決定、県が中心となって原資を募りました。「民際協力基金」は、こうしたプロセスを経て1993年に生まれました。当時、自治体の国際協力に関心が集まり、インフラや環境などの技術を生かした発展途上地域への協力や、民際協力基金のような助成システムを開始した自治体もありました。(※4)
民際協力システム図(1992年かながわ民際協力システム検討委員会) |
民際協力基金設立時に発行された広報紙「地球の風」第1号(1994年3月発行) |
●なぜNGO支援か
社会は次々に変化していきます。複雑化し、多様になり、直接関わりのない人たちからは見えにくくなっていきます。その中で個別の課題にいち早く気づき、深く関わり、機動力をもって取り組むNGOの活動は、公的な社会制度や行政施策が及んでいない分野の問題の所在と重要性を社会に知らせ、広げていくことができます。
このような優れたNGOの活動を支援することは、その過程を通じてNGOの知見や能力、ネットワークを地域に根付かせて、社会を変えていくことにつながります。
民際協力基金が設立された当初、NGOや市民グループの活動が増える一方で、資金面や社会的な認知度の不足などが課題となっていました。
1998年の特定非営利活動推進法(NPO法)が成立し、NPOの法人化と寄付控除の制度化がなされるなど、非営利組織の活動ははるかに普及しましたが、当初の困難は必ずしも解決されませんでした。そんな中、公的機関によって設置された基金から助成を受けることは、資金面の支援という側面だけでなく、専門家により評価された優れた活動であることを、社会に認知される効果も生むことになりました。
●民際協力基金の特徴~「民際性」と「神奈川度」
民際協力基金による助成を行う上で、重要視されるキーワードが「民際性」と「神奈川度」です。
「民際性」…人と人の顔の見える関係と信頼に根差した、持続的な活動であること
海外協力の分野では発展途上国の人びと、国内協力の分野では地域で暮らす外国人住民と、顔の見える信頼関係を築き、「共に生きる」社会をつくることを目指す活動を応援します。一方的に助けるのではなく、支援する側とされる側が信頼関係を築き、活動を通じて学び合うという視点が審査のポイントとされました。
「神奈川度」…民主的で豊かな、共に生きる神奈川の地域社会づくりに資する事業であること
民際協力基金は、「神奈川県内に活動拠点がある」「神奈川県内に多くの会員を有する」「主に神奈川県内で活動する」団体を助成対象としています。「神奈川とのつながりの強さ」、「神奈川県民が支援する意義」を重視しています。
・グローバル社会の中で、共生のために学び合う
貧困や平和、環境などの地球規模の課題については、発展途上国など、困難な事態が起きている場の制度や人びとの問題として認識されることも過去多くありました。しかし現在、先進国の社会構造の中にもその大きな原因と課題があることが認識されています。
例えば様々な自然災害の要因となる気候変動は、被災した地域の人びとに原因があるわけではありません。貧困や紛争、難民や移民の問題など、グローバル社会の様々な課題は、相互に影響しあう中で起こっています。
困難に直面している地域・人びとと関係を築き、学び合うことで、支援・活動する側が自身の社会の課題や世界の格差・矛盾に気づくことにつながります。知り、学び、行動することをひとりひとりが積み重ねることによって、何が解決につながるのかも見えてきます。
NGOは、グローバル社会の様々な課題を自分自身のものとして主体的に考え、行動する人々の象徴です。共に生きるグローバル社会を、足元の地域からひとりひとりが参加し、周囲の様々な人々と対話しながらつくっていくプロセスを応援するという意図が、「民際性」「神奈川度」というキーワードに象徴的にこめられています。
●数多くの優れた活動へ助成
民際協力基金は、神奈川の数多くのNGOの活動の一部を助成したに過ぎませんが、これまでの助成事業をあらためて振り返ってみると、時代状況とニーズを反映した様々な活動が神奈川で行われてきたことを改めて感じます。
民際協力基金が設立された1993年は、インドシナ半島での内戦が終結に向かい、カンボジアで国連監視下の初めての総選挙が行われた年でした。日本政府が大和市にインドシナ難民の定住促進センターを置いた(1980~98年)こともあり、神奈川には難民支援から出発した活動や、難民の方々自身が始めた活動が多くあります。
・海外協力事業~国境を越え、顔の見える関係の中で支援
民際協力基金の支援第1号は、NGO東南アジア文化支援プロジェクトによる、カンボジアの子どもたちに教材を提供する事業でした。1995年には、1981年に難民として来日したもとジャーナリスト、コン・ボーンさんが設立したNGO「カンボジア教育支援基金」による学校建設事業への助成を行いました。
茅ヶ崎市出身の吉田真美さんがルワンダ人のパートナーガテラさんと設立したNGO「ムリンディ・ジャパン・ワンラブプロジェクト」(ワンラブ)には、ルワンダで、義肢装製作・配布や障碍者の人材育成や巡回診療への支援を行いました。ワンラブが設立され、民際協力基金からの初めて助成を行ったのは1996年、ルワンダで大虐殺が発生した1994年の2年後でした。
草の根援助運動(1990年設立)、地球の木(1991年設立)、地球市民の会かながわ(T-PAK)(1993年設立)、WE21ジャパン(1998年設立)など、全国レベルで広く知られ、優れた活動を継続している海外協力NGOへも助成をしています。近年サイクロンや地震など大きな自然災害が頻発するようになっていますが、緊急時や復興のための支援は、平常時からの継続的な支援の経験や支援先の地域・団体との関係の積み重ねが非常に重要です。これらの団体に対しては、民際協力基金の「緊急支援」枠で助成した事業もあります。
・国内協力事業~地域の多文化共生のための活動
地域で生活するインドシナ難民への支援から出発したかながわ難民定住援助協会(1999年以降数回助成)は、日本語教室、生活・法律相談などを通じて地域の共生を支えながら、新たな取組をされてきた団体です。現在は「外国ルーツの子どもたちの観察力・思考力・対話力を高める日本語教育」事業(2017年開始)に対し、助成を行っています。
人権侵害や様々な困難に直面した女性の支援活動を行う「かながわ・女のスペース“みずら”」や「女性の家“サーラー”」(いずれも1994年以降数回助成)が助成対象となったのは、二つの団体の立ち上げ直後の、東南アジア女性の人身売買被害の問題が大きかった時期でした。
外国につながる子ども・若者支援を行う「多文化共生教育ネットワークかながわ(ME-net)へは2001年以降、「日本語を母語としない人たちのための高校進学ガイダンス」等の事業に対して助成を行いました。横浜市南区を拠点に子どもたちの支援を行う在日外国人教育センター・信愛塾や、外国人住民が多く暮らす県営「いちょう団地」を拠点に様々なまちづくりの活動を行う「多文化まちづくり工房」、横浜市鶴見区でブラジル人住民を中心に設立されたABCジャパンなどにも、相談事業等の充実のため助成を行っています。
・担い手育成事業・団体活動充実事業・協働事業
「担い手育成事業」では開発教育教材の作成やアフリカ・韓国などの高校生と神奈川の高校生との交流、「団体活動充実事業」では相談員やスタッフの研修・広報活動など団体の基盤強化のための活動などに助成を行ってきました。
2013年までは、当財団とNGO等との協働事業の枠があり、多文化共生にかかわる人材育成、外国につながる若者のグループによるドキュメンタリー映画の作成、外国人の介護人材に関する調査とブックレットの発行などを実施しています。
・新たなニーズへの対応~ 多文化共生の地域社会づくり応援事業
外国人住民の増加とともに、地域ごとに多様な課題やニーズが生まれてきています。2013年からは「多文化共生の地域社会づくり応援事業」という助成枠を設定し、これから経験を蓄積しようとしている新しい団体の小規模な事業への助成を始めました。開始から5年間で、20件に助成しています。
特徴的なのは、外国人住民自身が中心となって団体を作り、地域の人たちとつながりながら行う活動が多いことです。日本で長期間生活し、日本語力や日本社会に関する経験をもち、地域社会の中で活躍する人たちが増え、「日本人」が「外国人」を助けるのではなく、外国人住民自身が力を発揮し、皆が共に活かしあえる地域づくりを意識した取組が県内各地で広がってきています。
KIFでは、民際協力基金による支援と併せて、外国人コミュニティリーダーとの意見交換会や、外国人コミュニティの活動に関する情報発信など、外国人住民の活動と連携した事業を行っています。
かながわ民際協力基金 多文化共生の地域社会づくり応援事業(2013~2018年)
助成対象団体・事業内容(助成決定年順)
団体名 | 主な 活動地域 |
事業内容 |
---|---|---|
(特活)日本ペルー共生協会 | 町田市・ 大和市 |
子どもたちの学習に必要な日本語の語彙を増やすため、参加型プログラムを取り入れた読み聞かせの活動 |
多文化活動連絡協議会 | 川崎市 | 外国につながりを持つ中学生世代の保護者への情報提供と学習支援者の育成・連携づくり |
カワヤンP.W.C. | 川崎市 | 母国の教育制度がわからないフィリピン出身者への情報提供(日本の制度との比較含む)、子どもたちへのタガログ語・フィリピン文化の学習機会提供、日本人へのタガログ語学習機会と在日フィリピン出身者との交流機会提供など |
(特活)在日カンボジアコミュニティ | 平塚市 | カンボジア出身の保護者と子どもを対象とした母語教室、親子交流会、日本語学習会、相談会など |
SONRISA | 藤沢市 | 南米人コミュニティに対する表現アートワークショップ(ストレスや自尊感情の喪失で問題を複雑化させている個人、家族、コミュニティのエンパワーメント) |
小さな森の学校 | 愛川町 | 外国につながりのある小中学生等の学習支援、支援を行う人材育成、多文化共生の学びの場づくり |
(特活)在日本ラオス協会 | 愛川町 | 在日ラオス人の子どもたちや若い世代にラオス文化継承の機会提供、成人に対し日本語・日本での暮らし方を学ぶ機会を提供 |
カムオン・シェシェ | 横浜市 瀬谷区 |
仲間を助けたい、地域の中で役立ちたいと考える外国人住民に呼びかけ、地域で支え合う当事者同士の関係・地域社会とのつながりを深める |
かながわネパール人コミュニティ | 横浜市・ 県内全域 |
県内在住のネパール人を主な対象としたネパール人自身による相談窓口を開設 |
リンク・トゥ・ミャンマー | 横浜市 | 県内在住のミャンマー人を主な対象とする生活相談 |
Ayase Muslim Women’s Organization |
綾瀬市 | イスラムの習慣や文化を尊重しながら、在住イスラム女性への生活サポート、孤立しがちなイスラム女性のための交流会などを開催 |
サバイディ・ラオタイサークル | 綾瀬市等 | 在日ラオス・タイ人のための日本生活情報セミナー・相談会を実施 |
「小さな森の学校」(愛川町)の外国につながりのある子どもたち等への学習支援事業に助成。民際協力基金による支援の後、愛川町との協働事業を実施 http://tiisanamori.webcrow.jp/ |
外国人住民は大きなストレスを受け、自尊感情を失い孤立することも多い。SONRISA(藤沢市)が行う表現アートを取り入れたワークショップを支援。写真は参加者の作品。生活ニーズだけでなく精神的な支えや文化的な内容に対する助成の例。 図版はワークショップ参加者の作品 |
民際協力基金の財源には限りがあり、助成回数や期間には制限を設けていますが、助成した多くのNGOが現在も優れた活動を続け、様々な賞を受賞したり、県や市町村などと協働事業を行うなど、社会に貢献する貴重な存在になっています。
KIFでは多文化共生関連事業の実施や、高校生・大学生等向けセミナーの講師として活躍していただくなど、様々な形でNGOとの連携を進めています。
イランで障がい者支援を行うミントの会(秦野市)による活動報告。代表のパシャイさん(イラン出身)が神奈川県内の専門家の協力も得て事業を実施。民際協力基金では団体立ち上げの時期を支援した。ミントの会は2018年9月から3年間の予定でJICA草の根技術協力事業によりバリアフリー事業を実施 http://www.mint-assist.com/report.html |
KIF主催の高校生を対象とした多文化理解のセミナー。2016年から助成しているわたぼうし教室(横浜市)の協力により実施 https://www.facebook.com/kanagawaIF/posts /1794413390637428 |
ここで全ての助成事業をご紹介することはできませんでしたが、助成実績一覧は下記のリンクからご覧いただけます。
民際協力基金 これまでの助成事業
http://www.kifjp.org/fund/wp-content/uploads/2018/04/jisseki_20180424.pdf
2018年度の助成決定事業はこちら▼
http://www.kifjp.org/fund/news/357
●今後に向けて ~地域の中で、信頼を育てる~
民際協力基金設立から25年の間に、時代状況にも大きな変化がありました。
「海外協力」「国内協力(多文化共生)」という枠組で助成を行ってきましたが、この間に先進国と途上国という国家間の格差は縮まり、先進国の内部での貧困や格差が顕在化するようになりました。環境問題や貧困、移民・難民の流出・受入など、国際社会の課題はまさに「グローバル」な様相を呈し、海外・国内に分かれた現象ではなくなってきました。
2000年から2015年まで国際社会の目標となった「ミレニアム開発目標(MDGs)」がアフリカなど途上国への対応を強く意識したのに対し、2016年から始まった「持続可能な開発目標(SDGs)」は、先進国・途上国に共通する、より包括的なものとされました。
民際協力基金設立以降、様々なNGO支援の制度が生まれ、政府関連機関・自治体等とNGOの連携も当時よりはるかに進みました。海外協力の分野ではビジネスモデルや投資を通じた貧困削減への取組も増え、個人レベルでも発展途上地域と直接つながることが容易になっています。NGOが資金を得る手段も、クラウドファンディングなど多様になりました。
「助成」は、単に財政的な支援に留まるのではなく、「今何が求められているのか」「これから何をすべきなのか」を提示していく仕事であることを、事務局である私たちKIFは審査会(※5)を通して学んできました。個別の申請に対する助成の可否だけでなく、どのような社会を目指すのか、様々な状況の変化に応じてNGO支援はどのようにあるべきか、専門家による真剣な議論が行われます。これらは、判断の基礎として欠かせないものです。
KIFは、申請するNGOと、海外協力・多文化共生などの分野で、神奈川という地域からの課題解決を目指すという、同じ目的を共有しています。民際協力基金にできることは限りがあり、残念ながら助成につながらなかった申請もありますが、私たちはNGOにとって、グローバル化の中で未来を見据え、よりよい社会をつくるために、市民から寄せられた資金を有効にしていくパートナーでありたいと考えています。信頼される運営を行うべく、努力を続けてまいります。
次回は「外国人住民に情報を届けるための取組」についてご紹介します。
参考資料
JANIC(国際協力NGOセンター):https://www.janic.org/ngo/faq/
外務省 Japan SDGs Action Platform :https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html
JICA World: https://www.jica.go.jp/publication/j-world/1112special/pdf/02.pdf
シャプラニール=市民による海外協力の会 会報「南の風」277号(2017年9月)、281号(2018年9月)
みずほ総合研究所リサーチTODAY :
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/today/rt180816.pdf
助成によるNGO支援を考える(1)~(3)神奈川県国際交流協会
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※1 NGOという言葉:「NGO」は、Non-Governmental Organization(非政府組織)の略語です。地球的規模の課題(開発・環境・人権・平和など)を解決するために 非政府かつ非営利の立場で活動している団体を指して用いられています。
類似の言葉として「NPO」がありますが、NPOはNon Profit Organization(非営利組織)の略です。
NGOは非政府かつ非営利の団体であり、多くの団体は、NGOかつNPOということになります。NPOという言葉は1998年の特定非営利活動推進法(NPO法)成立以降使われるようになりましたが、民際協力基金はそれ以前の1993年に設立しており、関連の文書の中では主にNGOという用語を使っています。民際協力基金による支援には法人格の有無などは条件ではなく、小規模の市民グループ(外国人住民を含む)など幅広い非営利組織が対象になります。
参考
JANIC(国際協力NGOセンター)ウェブサイト https://www.janic.org/ngo/
関西NGO協議会ウェブサイト http://kansaingo.net/study/ngo/
※2 参考:NGOデータブック2016 JANIC(国際協力NGOセンター) https://www.janic.org/ngo/faq/
※3 かながわ民際協力システム検討委員(肩書は就任当時)
赤石和則(東和大学国際教育研究所研究員)、雨森孝悦((財)日本国際交流センター プログラム・オフィサー)、飯村圭司・中村信(国際協力事業団企画部次長)、伊藤道雄(NGO活動推進センター常務理事兼事務局長)、大野力(かながわ民際協力ネットワーク代表世話人)、新藤宗幸(立教大学教授)、鈴木祐司(法政大学教授・副座長)、西川潤(早稲田大学教授・座長)
※4
新潟県(新潟国際協力ふれあい基金・1995年開始 http://www.niigata-ia.or.jp/jp/ct/001_nia_info/002_fureai_fund/001_fureai_fund.html)、埼玉県(彩の国さいたま国際協力基金 http://sia1.jp/international/assist/)など
※5 民際協力基金審査委員会
NGO活動等の実践者、海外協力・多文化共生等の分野に関して客観的な立場から指導・助言できる学識者等、基金の出資者・管理者等で構成。鈴木祐司氏((公財)日本ユネスコ協会連盟理事長)が長年審査委員長として議論をリードしてきた。